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「自分の中に“あるもの”に気づく旅」株式会社The CAMPus BASE代表・井本喜久さんのリトリート体験記

「世界を農でオモシロくする」。そんなビジョンを掲げ、農業や自然を中心とした事業を展開する会社、The CAMPus BASE。その代表を務めるのが、井本 喜久(いもと よしひさ)さん。 

井本さんはWellBeing Retreatでの2日間の旅を「自分の中に“あるもの”に気づくためのものだった」と語ります。想像と違った馬との時間、仲間と語り合う時間、一人で過ごす豊かな時間……。柔らかな表情で2日間のことを思い返す井本さんが体験したこととは?話を聞きました。




井本 喜久(いもと よしひさ) 

広島の限界集落にある米農家出身。東京農大を卒業するも広告業界へ。26歳で起業。コミュニケーションデザイン会社を創業し、様々な企業のブランディングを手がける。2012年に飲食事業も開始。数年後、妻がガンになった事をキッカケに健康的な食に対する探究心が芽生える。2016年新宿駅屋上で都市と地域を繋ぐマルシェを開催し延べ10万人を動員。2017年「世界を農でオモシロくする」をテーマにオンライン農コミニュティThe CAMPusを始動。



「2日間かけて触れ合ったからこそ得られた“腹落ち感”」

 

—井本さんがリトリートに参加したきっかけを教えてください。


始まりは、昔からの友人であり、この「WellBeing Retreat」の運営メンバーでもある矢澤祐史に誘われたことでした。「癒される感覚を味わいに来てよ!」と熱量高く誘われたので、彼の想いに触れてみたいなと思って。


僕は仕事でもプライベートでも全国各地を回りますが、「絶景を求めて」とか「世界文化遺産が見たくて」とかが動機になることはありません。大切なのは、誰と行くのか、そこに住んでいる誰に会いに行くのか。今回も、出発を後押ししてくれたのは「人」でした。

 

—井本さんは、2日間のプログラムに参加されています。どのようなことをされたのでしょうか?


僕が参加したプログラムは馬との触れ合いがメインで、1日目に引馬、夜は仲間と食事を囲んでコミュニケーション、2日目には乗馬、という順番で進んでいきました。


—印象に残っていることはありますか?


一番は、やっぱり馬と過ごした時間です。


「馬力」という単位があるように、昔から馬は物を運んだり、人を乗せたりするパートナーでした。だから僕も「乗り物としての馬」を想像しながら沖縄の地に降り立ったんですよね。


ところが指導を担当してくれたランディー由紀子さんが、開口一番「彼らは野生に近い状態の馬です」って言うんです。さらに、初めのミッションは「馬の口元に紐をつけること」、つまり、乗る前にクリアしなければいけないステップがあったんです。


何とか紐をつけようと馬に近づいていくんですが、近づこうとすればするほど離れて行ってしまって、紐をつけるだけで30分。ようやく馬に乗れたのは2日目のことでした。


ですが、WellBeing Retreatでの馬との触れ合いは時間をかけることに価値があるのだと、2日目で強く感じました。


—というと?


はじめは、「由紀子さんの教えを守らないと馬に蹴り飛ばされて死んじゃうかも」という気持ちがあったんですよね。だから、由紀子さんの言っていることの意味が多少理解できなくても、とりあえず言われた通りにやっていました。たとえば「丹田で感じ取って!」と言われたら「丹田ってどこだ?」と思いながらも、なんとなくお腹の下のほうを意識してみたりして(笑)。


でも1日目が終わって部屋に持ち帰って反芻すると、気づくことがたくさんありました。「そうか、肚(はら)が座るって言葉の『肚』は『にくづき』に『つち』と書く。土と人間がつながったときに疼くところが、丹田なのか。やっぱり土と動物と人間はつながっているのか」、みたいに……。


そんなことをひとりでゆっくり考えていると、見聞きしたことがじわじわと腹落ちする感覚を覚えたんです。1日目の夜は、その日の体験を一度土に戻して、それを再び形作って自分のものにしていく、そのための時間なのかもしれませんね。


そのプロセスを経てようやく馬に乗る、というのがすごく良かった。それがあったからこそ、2日目に、馬と本当の意味で一体になる感覚を得られたのだと思っています。

 

 

「WellBeing Retreatは“瞬間”を、仲間とともに豊かに過ごせる場所」

 

—そのほかに、WellBeing Retreatならではだと感じたことはありますか?


自分で会社を持っているほか、セミナーに呼んでいただいたり、大好きな友人に呼ばれたら地方まで飛んで行ったりする僕なので、基本的にスケジュールはびっちり。移動中に考えなければいけないことも多いんですよね。


一方、WellBeing Retreatでは、活動の時間がカッチリと決められているわけではなく、たくさんの時間がある。目の前の瞬間を味わって、それを仲間と一緒に語り合うことができる、“瞬間”を豊かに過ごせる場所だと感じました。


—井本さんはお仕事柄自然に触れる時間が長く、日頃から豊かな時間を過ごされているイメージがありました。それでもWellBeing Retreatには違った良さがあるのでしょうか?


おっしゃる通り、僕は大自然の中で日々を過ごしているので、自分と向き合う時間は人よりも長いのかもしれません。でもそれは、「自問自答」に過ぎないんですよね。


日常とWellBeing Retreatとの大きな違いは、同じ体験について仲間と語り合えること。たとえば馬に乗った後に「どうだった?」「こうだったよね!」と感覚をシェアすると、体験がより深まって、さらなる意味と価値が生まれるのではないでしょうか。


—なるほど。体験を仲間と共有できるところに良さがありそうですね。


もちろん一人で来ても楽しめると思いますが、僕は「絶対に仲間と来た方がいいよ!」と勧めたい。会社のメンバーでもいいですし、家族と来るのもすごくいいと思います。それは、馬との時間をはじめとしたプログラムを通して感覚が研ぎ澄まされて、「感覚的な共有」ができるから。


日常生活の中で「もうちょっとこうやってくれればいいのに」「言葉で言われなきゃわからないよ」と思うことって、誰しもあると思います。WellBeing Retreatで同じ体験を共有することで、きっと「言葉なくとも通ずる感覚」がわかってくるはず。互いに信頼感を高めたい!と思っているときにこそ、参加してほしいですね。



答えはすべて自分の中にある


—最後に、WellBeing Retreatに興味をお持ちの方に向けて、メッセージをお願いいたします。


僕はWellBeingの基本を「ないと捉えるのではなく、あると捉えること」だと思っています。「幸せじゃないから幸せを手に入れたい」と思うのではなく、「すでに幸せはある」と思えた瞬間、心の持って行き方が変わるはずです。


WellBeing Retreatについても、考え方は同じ。参加して答えを導き出そうとするのではなく、馬に乗る、仲間と語り合う、日常から切り離された空間でひとりで夜を過ごす、そういった活動を通して、自分の中にすでにあるものに気づくことに意味があります。


自分の中にある答えを引き出すきっかけがほしい、今ある自分を否定するのをやめたい、面白いことをしたい、面白い人に出会いたい……そういう人には、ぜひ体験してほしいですね。WellBeing Retreatを通じて自分の中にある答えがクリアになっていくのを、実感してみてください。

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